チームにビデオ分析を取り入れる最初のステップについてのコラム、後編は分析した後の活用法について説明します。
伝達
ビデオとデータの分析が終わったら、それを選手が理解しやすい方法で共有する必要があります。これには、必ずしも正解や間違いがあるわけではありませんので、どんな方法なら選手たちが学びやすいか、それを考えましょう。聞くことが得意なのか、視覚的に見せた方がいいのか、それとも実際に手を使って作業をさせるのがいいのか?ビデオを見せる際に、心に留めておくべき幾つかの方法をご紹介します。
クラウドベースのシステムで自宅学習
Hudlのようなシステムを使ってデータやビデオをアップロードしておけば、選手たちは好きなときに、家からでもビデオにアクセスできます。コーチングポイントをつけてアップロードすれば、伝えたいメッセージを的確に伝えることもできるのです。
ポジショングループごとのミーティング
アメリカンフットボールでは一般的に行なわれている方法です。個々のプレーヤーにしっかりとメッセージを伝えるために、ポジションごとに分けて戦術的なレビューを行うのはよい方法です。
アプリを使って再生(Hudl Technique)
選手たちどうしでビデオを撮影させ、コーチたちと共有させてみましょう。その場ですぐにレビューやフィードバックができます。しかもグラウンドから去った後も、学習を続けることができるのです。
繰り返しの学習
個人のテクニックから戦術的な学習まで、成長のためには繰り返し学習することが大事なのは、言うまでもありません。ピッチ上で繰り返しあなたのコーチ哲学を選手に伝えるだけでなく、選手たちが本当に理解し、進歩しているかを確かめることができるのです。
あなたの選んだプレイリストを作り、選手と見直してみましょう。個人プレーヤーの技術的なパフォーマンスから、戦術的な側面からでも、いろいろなプレイリストを作ることができます。特定の選手についてのノート(描き込み)を入れ、それを細部まで理解できたか、選手に尋ねてみましょう。選手が同じミスを繰り返さないよう、試合の中の「あの場面」を思い出し、視覚的に学ぶことをさせましょう。
個人のテクニックについては、ビデオを使ってどこが悪かったかを確かめる時間をとりましょう。撮影したその場で見せるのが大事だということを忘れないでください。選手たちが自分たちで撮影をしているなら、それをすぐに見ること、次の練習までにコーチと一緒に見直して改善を図ることを習慣にしましょう。
「クリエイティブであろう」ということを強調したいと思います。同じ考え方とテクニックは、Hudl Techniqueのようなフリーソフトを使ったとしても、Hudlのような有料のソフトウェアを使ったとしても、またどんなレベルのスポーツチームにも当てはまります。今の世の中、誰もが分析者になれるのです。ビデオ分析に関するこの4つのコツを心がけるだけで、ビデオはあなたとあなたのチームに計り知れないメリットをもたらすでしょう。
(翻訳:橘 肇)